ウサギマン
ラビ
2020年は給与所得、公的年金等雑所得、基礎控除の三位一体の改正で、複雑、ごちゃごちゃ。
とりあえず公的年金等雑所得計算に関わるざっくりポイントは下記のとおりです。
- 基礎控除10万増やした分、公的年金等雑所得も10万増やす!(税影響なし)
- でも年金収入1,000万以上ならもっと増やす!(増税効果)
- 公的年金等雑所得以外の合計所得が1,000万超ならもっと増やす!(増税効果)
- 給与と年金両方ある人は給与の方で調整する制度作ったわ!(税影響なし)
この記事の目次
年金収入➔年金等雑所得計算シミュレーションツール|2020年分以降
公的年金等に含まれるのは、国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金などです
保険会社などで加入している個人年金は公的年金等には含まれず、掛金など経費を個別計算して所得額を算出します
遺族年金、障がい年金も非課税収入なので公的年金等に含まれません
スポンサーリンク
公的年金等の雑所得計算表など
2020年以上の公的年金等の雑所得は、基礎控除が10万円増になることに合わせて多くの人が2019年比で10万円増となることが主な改正となります(税額への影響なし)。ただし、
- 公的年金収入1,000万円超
- 公的年金等雑所得以外の合計所得が1,000万円超
上の2つの場合は+10万円増を超える所得増となり、増税効果を及ぼす改正となっています。
2020年以降、公的年金等に係るの雑所得計算表
そんな2020年分以降の公的年金等雑所得の計算表は下表のとおりです。
- 65歳未満:1956年(昭和31年)1月2日以降に生まれた人
- 65歳以上:1956年(昭和31年)1月1日以前に生まれた人
65歳未満の人
公的年金収入(円) | 公的年金等雑所得(円) | ||
公的年金等雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | |||
1,000万以下の場合 | 1,000万超2,000万以下の場合 | 2,000万超の場合 | |
0~1,299,999 | 年金収入-600,000 | 年金収入-500,000 | 年金収入-400,000 |
1,300,000~4,099,999 | 年金収入×75%-275,000 | 年金収入×75%-175,000 | 年金収入×75%-75,000 |
4,100,000~7,699,999 | 年金収入×85%-685,000 | 年金収入×85%-585,000 | 年金収入×85%-485,000 |
7,700,000~9,999,999 | 年金収入×95%-1,450,000 | 年金収入×95%-1,350,000 | 年金収入×95%-1,250,000 |
10,000,000~ | 年金収入-1,955,000 | 年金収入-1,855,000 | 年金収入-1,755,000 |
65歳以上の人
公的年金収入(円) | 公的年金等雑所得(円) | ||
公的年金等雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | |||
1,000万以下の場合 | 1,000万超2,000万以下の場合 | 2,000万超の場合 | |
0~3,299,999 | 年金収入-1,100,000 | 年金収入-1,000,000 | 年金収入-900,000 |
3,300,000~4,099,999 | 年金収入×75%-275,000 | 年金収入×75%-175,000 | 年金収入×75%-75,000 |
4,100,000~7,699,999 | 年金収入×85%-685,000 | 年金収入×85%-585,000 | 年金収入×85%-485,000 |
7,700,000~9,999,999 | 年金収入×95%-1,450,000 | 年金収入×95%-1,350,000 | 年金収入×95%-1,250,000 |
10,000,000~ | 年金収入-1,955,000 | 年金収入-1,855,000 | 年金収入-1,755,000 |
【参考】2019年、公的年金等に係るの雑所得計算表
2019年の表と比べると複雑になったことが一目でわかります…。
65歳未満の人
公的年金収入(円) | 公的年金等雑所得(円) |
0~1,299,999 | 年金収入-700,000 |
1,300,000~4,099,999 | 年金収入×75%-375,000 |
4,100,000~7,699,999 | 年金収入×85%-785,000 |
7,700,000~ | 年金収入×95%-1,555,000 |
65歳以上の人
公的年金収入(円) | 公的年金等雑所得(円) |
0~3,299,999 | 年金収入-1,200,000 |
3,300,000~4,099,999 | 年金収入×75%-375,000 |
4,100,000~7,699,999 | 年金収入×85%-785,000 |
7,700,000~ | 年金収入×95%-1,555,000 |
基礎控除額も+10万円の改正
ウサギマン
と言いたくなる気持ちはわかりますが、所得から減額する所得控除の一つ「基礎控除」の見直しも同じタイミングで行われます。
合計所得2,400万円以下の場合、基礎控除額は2019年と比べて10万円増えます。
よって、多くの方は公的年金等所得で増額となった10万円が、基礎控除の増額分10万円で相殺されて税額への影響はない、ということになります。
2020年以降の基礎控除改正 | ||||
合計所得金額 | 所得税|2020年分~ | 個人住民税|2021年度(2020年分)~ | ||
改正前 | 改正後 | 改正前 | 改正後 | |
2,400万円以下 | 38万円 | 48万円 | 33万円 | 43万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 | 29万円 | ||
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 | 15万円 | ||
2,500万円超 | 0円 | 0円 |
給与所得、年金所得以外の所得の方は、基礎控除増の減税効果の恩恵だけを受けることができます
例)自営業、フリーランスなどの事業所得系の方
表のとおり基礎控除にも所得制限がつきました。合計所得2,400万円を超えると2019年より基礎控除額が少なくなり、2,500万円を超えるとなんとゼロに...これはもちろん増税効果
公的年金収入1,000万円超等&合計所得2,400円超の場合、所得は増えるわ、控除は減るわのダブルパンチ増税をくらうことになります…
スポンサーリンク
給与所得もある人は給与所得の方で調整あり
基礎控除が+10万円になったぶん、給与と公的年金の所得をそれぞれ10万円増やして多くの人は税額に影響なし、という改正ですが、
ウサギマン
とならないように「所得金額調整控除」なる制度を作って、給与の方の所得を減らすことで調整するようになっています。
詳しくは給与の計算ツール記事にて解説しています。

スポンサーリンク
おわりに|こんな制度に誰がしたw
はい、以上のとおり2020年以降は公的年金等の雑所得の計算が複雑になりました。
理念を貫いて具現化した結果、年金受給者に制度を理解していただくことは相当困難な代物となりましたw
ラビ
ウサギマン