100株単位の売買が基本の株を、1株単位で売買できる端株(単元未満株)。
この端株を株主優待の長期継続保有条件クリアに活用すると、利回りがとんでもなく高くなる!
結論からいうと、長期継続保有条件に
- 優待実施のない月(時点)が確認対象
- 確認時点の保有株数の条件がない
以上の2点に当てはまる銘柄については、端株の現物保有を続けることで長期継続保有条件を満たせる可能性が高い&メリットが大きいといえます。
個人的にも重すぎる腰をあげて長期保有条件クリア目当ての端株ポートフォリオを作りたいと考えていますので、端株と、株主優待の長期継続保有条件の関係について整理してみました。
ラビ
この記事の目次
長期継続保有条件の状況
株式を一定期間保有することを条件として、株主優待が実施されたり、内容が拡充される銘柄が増えています。
記事作成の2019年6月時点で株主優待実施企業はざっと1,500社。
そのうち400数十社がなんらかの長期継続保有条件を課しています。
全体に対する割合は3割弱といったところですが、今後もじわじわと増えていくことが予想されます。
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長期継続保有条件の中身
具体的な条件付けは企業によりけりですが、まずほぼ共通しているのが
- 株主名簿に同一株主番号で記載されていること
これを確認方法としていることです。
株主番号:配当金通知書右上等に記載の番号(8ケタ)
この基本に、
- 確認時点:いつ時点の名簿で確認するか
- 確認時点の株数:そのときに何株以上保有を対象とするか
- 保有年数(確認時点の回数):過去何回分確認するか
上記の3点の組み合わせで、企業ごとの条件クリア対象者が決められています。
株主番号が続く、変わる基準は確実に判断できないものでもあります
- 転居・婚姻などで住所・氏名などの記載内容が変わる
- 貸株をして、一時的に所有権が変わる
上記ような場合は、例え保有を続けていても株主番号が変わってしまい継続保有と認められない場合があります(引っ越しとか婚姻とかどうしようもないじゃない!)
その他、株主番号のメカニズムは完全解明されておらず、、、。
ともあれ、いくつか具体例をみて、確認してみましょう。
具体例1|端株有効ケース
「継続保有期間1年」の認定につきましては、毎年3月31日を基準日として、前年の3月31日および9月30日現在の当社株主名簿に、同一株主番号で連続して3回以上記載または記録されていることを条件といたします
上記のような条件の場合、
- 確認時点は3月末と9月末
- 保有株数の条件はなし
- 半期ごとで3回確認(1年以上)
と読み取れます。
この銘柄が3月末と9月末の年2回優待を実施している企業であれば、
- 普通に優待条件を満たす株数の現物保有を続ける
- 半期ごとにクロス取引する(都度クロス)
のどちらかを続ければ、長期継続条件を満たせるであろうと推測できます。
この銘柄が3月末の年1回優待を実施している企業であれば、
- 普通に優待条件を満たす株数の現物保有を続ける
- 半期ごとにクロス取引する(うち9月末分は優待のもらえない空クロス)
- 端株保有+3月末だけクロス取引する
という3つの選択肢が浮かびます。
- 確認時点の保有株数に条件がない
- 優待が実施されない確認時点がある
という2つの条件がある場合は、端株保有がメリットが大きいと考えられます(後述)。
具体例2|端株無効ケース
長期保有株主とは、同一株主番号で3月31日及び9月30日の株主名簿に連続7回以上記載または記録され、且つ同期間の保有株式数が継続して100株以上である株主様と致します
もうひとつ事例を。上記の場合、
- 確認時点は3月末と9月末
- 保有株数の条件が100株以上
- 半期ごとで7回確認(3年以上)
と読み取れます。
この銘柄が3月末と9月末の年2回優待を実施している企業であれば、
- 普通に優待条件を満たす株数の現物保有を続ける
- 半期ごとにクロス取引する(都度クロス)
のどちらかを続ければ、長期継続条件を満たせるであろうと推測できます。
この銘柄が3月末の年1回優待を実施している企業であれば、
- 普通に優待条件を満たす株数の現物保有を続ける
- 半期ごとにクロス取引する(うち9月末分は優待のもらえない空クロス)
という2つの選択肢が浮かびます。
確認時点の保有株数の条件までついてしまうと、端株保有によって長期継続保有条件をクリアすることができなくなります。
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長期継続保有条件クリア法の整理|メリット・デメリット
ということでやり方ごとの特徴を整理してみます。
現物保有を続ける
- 値上がり益が得られる可能性がある
- 配当金がもらえる
- 条件クリアの可能性が最も高い
- 値下がりで損失が発生する可能性がある
- 貸株はできない
- 保有中は資金拘束される
最も確実ですが、最もリスクが高い方法ですね。
値上がりして配当ももらえて長期継続条件クリア、なんてバラ色展開が確実ならいいんですけどね。
ウサギマン
優待+配当利回りが良い銘柄が、割安、さらに市況の影響で不当に売り込まれている
こんな状況になっていたら検討したいですけどね。
ラビ
都度クロス
- 株価変動リスクがない
- 資金拘束期間が少ない
- 必ずクロスできるとは限らない(在庫なし、売り禁など)
- 確実に条件クリアできるとは限らない
「長期継続保有の確認時点=優待実施時点」なら、その都度クロス取得して普通に優待ももらいながら長期条件も満たす、という展開が簡単で理想ですね。
「一般信用の在庫が確保できない」or「売り禁で制度信用クロスできない」というようなリスクもあるので万能ではないですが、その場合はちょいリスク取って短期現物という方法もなくはないので、、、。
バニ
空クロス
- 株価変動リスクがない
- 資金拘束期間が少ない
- 優待実施がない分、リスクが少ない(在庫なし、売り禁、逆日歩など)
- 必ずクロスできるとは限らない(在庫なし、売り禁など)
- 忘れがち!
- 確実に条件クリアできるとは限らない
長期継続条件を満たすため、優待のない確認時点にもクロスする空クロスは、優待のある通常クロスよりは参加者が少ないので比較的低リスク、低コストで行うことができますね。
ただし、うっかり忘れてしまうことがあってこれ意外に大きなリスクですw
資金が限られている場合は、空クロスに使う資金で優待もらえる別銘柄のクロスがしたい!という誘惑&ジレンマと戦うことにもなりますねw
ラビ
端株保有
- 株価変動リスクが超少ない
- 資金拘束額が超少ない
- 忘れない
- ちょっとだけ配当もらえる
- 使える銘柄が限られる(保有株数が条件になるとダメ)
- 保有株数の条件が加わるとダメになる
- 確実に条件クリアできるとは限らない
最後に端株、確認時点の保有株数に条件がついてしまうと使えませんが、それがなければメリットが大きいです。
1株だけの保有なら株価変動リスクも限定的ですし、空クロス忘れもありません。
空クロスで資金拘束されることもないので、その分優待をもらえる別銘柄のクロスに回すことができます。
端株で長期継続条件をクリアできそうな銘柄は、空クロスより端株保有の方がメリットが大きいといえるでしょう。
まとめ
長期継続保有条件クリアのための手法は、下のようにまとめられるかと考えます。
- 非貸借銘柄orめちゃくちゃ割安、高利回り銘柄➔現物保有
- 確認時点にも優待あり➔都度クロス
- 確認時点に優待なしand保有株数条件あり➔空クロス
- 確認時点に優待なしand保有株数条件なし➔端株保有
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端株で長期保有継続条件クリアを狙えそうな銘柄
ということで、端株保有で長期保有継続条件クリアできそうな銘柄をいくつかピックアップしてみました。
確実に条件をクリアできる保証はありませんのでご了承ください
カゴメ(2811)
6月末権利日、100株保有で2,000円相当の自社製品がもらえるカゴメは、半年以上の継続保有期間が必要です。
半年以上の継続保有期間とは、割当基準日(6月末日)とその前年の12月末日に、同じ株主番号にて、連続して株主名簿に記載されていることが条件となります。
引用:カゴメ公式HPより
公式のアナウンスを見る限りでは確認時点の保有株数まで言及がありませんので、端株でもいけそうな気がします。
長期条件がついてからは2019年6月が初めてなので、2018年12月末に端株保有の方が、この6月にクロスして優待がもらえたなら端株保有が有効ということになりますね。
2019年6月14日の終値は2,498円。
端株で1株2,500円弱を保有していることで、毎年2,000円相当の商品がもらえるなら利回りは脅威の80%w
万が一、億が一、倒産したって-2,498円。それまでには元本回収はできていそうですw
ラビ
リコーリース(8566)
3月末権利、100株保有で3,000円分のクオカードがもらえるリコーリース。
こちらは1年以上保有で、4,000円、3年以上で5,000円と額面が増えていきます。
当社では、株主の皆様に長期的な視点で投資していただくために、株式保有期間に応じた額面を設けております。保有継続期間の認定は、3月末日を基準とさせていただきます。また、保有確認は3月末と9月末の当社株主名簿で、株主番号を基準に行います。
引用:リコーリース公式HPより
こちらも公式のアナウンスでは3月末、9月末が確認時点で、保有株数の条件に言及はなし。
優待のない9月末に端株保有、3月末にクロスを続けていけば長期条件は達成できそうです。
ラビ
2019年6月14日の終値は3,345円。
長期認定クリアまでの時間はかかりますが、それは大なり小なりどの銘柄でも同じ。
軌道に乗って3年以上+2,000円分の恩恵を受けられるようになれば、利回りは約60%w
上記以外にも狙える銘柄はたくさん。
ただし、企業の条件があいまいな場合があったり、企業自身もおそらく株主番号のコントロールができないこともあり、失敗や改悪、廃止のリスクがないわけではありません。
達人のみなさまが惜しみなく情報公開してくれていますので、参考にしつつ私も端株ポートフォリオを構築していきたいと考えています。
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おわりに|端株ならネオモバ(SBIネオモバイル証券)で
以上、上手に使うと利回り、資金効率で超絶メリットのある「端株で株主優待長期継続保有条件クリア」でした。
上手くポートフォリオをつくって気長に保有していたら、いつしか毎年投資額の数十パーセントもの優待リターンを生み出してくれる金の卵になるかもしれません。
せっかちでめんどくさがりなのであんまり積極的に取り組んでこなかったのですが、超低コストで端株投資できるネオモバ(SBIネオモバイル証券)の誕生が考えを改めさせてくれましたw
ラビ
ネオモバなら、月間50万までの取引なら利用料が税込220円。売買に使えるTポイントが別途200ポイントもらえるので超ローコストで端株ポートフォリオが組めますよ。
バニ
いずれ端株ポートフォリオや、人柱としての成功、失敗?結果などをご報告できればと考えております。
ラビ
