リスクを抑えて株主優待ゲットを狙う、節約的投資「優待クロス取引」ですが、
ウサギマン
という、疑問に勝手にお答えし、徹底解説いたします。
今回は、「SBI証券」を使って、逆日歩のかからない一般信用での優待クロス取引の流れです。
ベストなやり方かどうかは分かりませんが、こんな感じでやってます、ということの一例として参考になれば幸いです。
ラビ
この記事の目次
おさらい:優待クロス取引(つなぎ売り)とは?
優待クロス取引とは、「買い」と「売り」を同時に行い、株の値下がりリスクを相殺して、株主優待のみゲットしてしまおう、という手法です。
優待クロス取引のリスク(コスト)は、一に手数料、ニに貸株料、三に逆日歩!
獲得した株主優待の価値以内に3つのコストが収まれば成功です。

今回は、リスクの一つ逆日歩のかからない一般信用という取引での実践です
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条件とスケジュール
はじめに、今回の優待クロス取引の内容や条件は以下のとおりです。
今回の優待クロス取引の内容・条件
- 使用証券会社は、SBI証券
- 2018年9月末権利取得分でチャレンジ
- 逆日歩の発生しない一般信用でクロス取引
- 買い注文は、「信用買い」→「当日現引」で手数料節約(のつもりでした)
- ターゲットは「ヤマダ電機(9831)」
ウサギマン
ラビ
続いてスケジュールです。
優待クロス取引の作業スケジュール
- 権利付き最終日前日まで
→獲得予定銘柄の注文「信用売り(空売り)」 - 権利付き最終日前日まで
→獲得予定銘柄の注文「信用買い」 - 1&2の翌営業日9:00~15:00
→前日の注文結果確認
→信用買い銘柄の現引(げんびき)注文 - 権利付き最終日15:30以降
→現渡(げんわたし)注文 - 権利落ち日
→前日の注文結果確認 - 結果発表会
スケジュール1と2について
一般信用のクロス取引においては、信用売りの在庫が確保できるかが重要です
ベストは、権利付き最終日前営業日夜に注文して確保することですが、人気銘柄は在庫がなくなっていることがほとんど
SBI証券の一般信用短期売りは、約半月前から確保が可能ですが、早く確保すると貸株料がかさみ、利益が圧迫されるというジレンマがあります
スケジュール1と2については具体的にどのタイミングで実施するかは、証券会社次第、銘柄次第ということになります
「権利付き最終日」と「権利落ち日」
2018年9月末は、権利付き最終日が9月25日(火)・権利落ち日が9月26日(水)でした。権利付き最終日などはカレンダーにより毎回変わりますので、必ず都度チェックしましょう!これを間違えると悲惨です。
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実践!SBI証券で優待クロス取引、やり方解説
では、いざ実践です!
ウサギマン
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ステップ1:一般信用売り注文
まずは、在庫が限られている一般信用の売り注文の確保です。
SBI証券の一般信用短期売りは、保有期間15営業日の取引で、権利取得日の半月以上前から争奪戦がはじまります。
翌営業日の注文受付が前営業日夜19:00から開始のため、開始日から権利付き最終日前営業日までは毎晩早いもの勝ちの争奪戦です。
よって、ステップ1のタイミングは、「この日」と決まっているわけではありません。
注文は市場がしまっている時間にしてください
そうでないと売りと買いを同じ値段で約定させることがむずかしくなります
ラビ
よい子はマネせず前日までにはやりましょう!じゃ、スタート!
まずは、トップ画面ロゴ下あたりの「株主優待」をクリック。
株主優待検索画面にたどりつきます。
そこで表示されている銘柄で、「一般売建可」と表示されている銘柄をみつけて、その銘柄の「売建受注枠確認はこちら」をクリックしましょう。
ラビ
一般信用売り銘柄一覧の画面が表示されます。
銘柄検索欄に表示されているコードを消して検索します。
するとドバっと、全銘柄が表示されます。


優待の時期や、在庫状況などいろいろな条件で絞って検索できますので、お目当ての銘柄を見つけたり、全体的な状況を確認するために有効活用してみてください。
今回は、「ヤマダ電機」と決めているため、ヤマダ電機の銘柄コード(9831)で検索。
売建受注枠を確認。
「◎余裕あり」のため一般信用売りができます。
売建受注枠が「×受付不可」ですと、在庫なしで一般信用売りできません
※ただし、受注枠表示は随時変動があります
ラビ
SBI証券さん流石っす!
在庫があることが分かったら注文です。
前の画面から銘柄名をクリックすれば、上の画面になるので、そこから「信用売」をクリック。
注文の方法は、上の画面のとおりです。
- 株数:任意の株数を入力(今回は100株)
- 価格:成行を選択
- 期間:当日中を選択
- 信用取引区分:一般(15日)を選択
以上を入力したら、取引パスワードを入力し、注文確認画面へをクリック。
激戦が予想される銘柄の獲得を狙う場合は、19:00のスタート直前に、すぐ注文できる状態にスタンバイしておくとよいでしょう
その際は、注文確認画面へではなく、画面右となりの注文確認画面を省略にチェックの上、注文発注をクリックすると確認画面を飛ばし、ワンテンポ早く注文発注となるので、争奪戦に勝利しやすくなるものと思われます
注文確認の画面が表示されます。
確認の上、まちがいがなければ、注文発注をクリック。
これで信用売り注文が完了です。
念のため、注文照会をクリックして確認してみましょう。
このように、無事注文発注ができています。
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ステップ2:信用買い注文
無事、「売り」が確保できたら今度は「買い」です。
「買い」については、最終的に権利付き最終日に現物で保有している必要があります。
しかし、最初から現物で買い注文する他に、いったん信用取引で買い注文➔約定当日に現引きして、現物保有する方法もあります。
- 前者は、現物注文の手数料
- 後者は、信用注文の手数料+1日分の金利(+現引注文のひと手間)
と、かかるコストがかわります。
証券会社の手数料体系や、銘柄の価格によって、どちらが有利かはことなりますので、都度判断してできれば安い方法をとることがよいでしょう。
ラビ
今回は、後者の方法で買いを行っています。
ラビ
バニ
ウサギマン
ラビ
銘柄画面から、信用買をクリック。
(現物買する場合は、現物買の方をクリック)
注文の方法は、上の画面のとおりです。
- 株数:任意の株数を入力(今回は100株:売りと同じ株数にしてくださいね!)
- 価格:成行を選択
- 期間:当日中を選択
- 信用取引区分:制度(6ヶ月)を選択
以上を入力したら、取引パスワードを入力し、注文確認画面へをクリック。
注文確認の画面が表示されます。
確認の上、まちがいがなければ、注文発注をクリック。
売りと買いが同値になるような注文をすると、「仮装売買」のアラートがでます
「仮装売買」は、売買意志がないにもかかわらず、銘柄の売買が活発なように見せかけて、他の投資家の参加を促すことを目的とした不正とされる取引手法ですが、その意図がないのであれば、注文発注でOKです
これで信用買い注文が完了です。
念のため、注文照会をクリックして確認してみましょう。
無事買いの注文も発注されました。
さきほどの売りの注文と比べて、株数などの間違いがないかなど、しっかり確認しておきましょう。
ここまでの手順が、確保すると決めた日の夜のうちに行っておく手続きとなります。
ステップ3:注文の成立確認と現引き注文
ステップ2までで、注文が完了したので、翌営業日にその確認と、信用取引で買った分を現物保有に切り替える現引き注文を行います。
ラビ
注文結果を確認します。
トップ画面のポートフォリオをクリックし、保有株を見に行きます。
信用取引の保有分が記載される株式(信用)欄をみます。
ちゃんと昨日だした注文が成立(約定)していることが確認できます。
ラビ
確認ができたら、信用買いの分は、現引きして現物保有に切り替えます。
買建欄の現引をクリック。
現引きの注文画面に移動します。
現引きは、注文株数を入力して、注文確認画面へをクリック。
複数単元保有している場合、必ず全株数を入力してください
500株保有しているのに、100株しか現引きしなかった、などは悲劇です
注文確認の画面が表示されます。
確認の上、まちがいがなければ、注文発注をクリック。
これで現引き注文が完了です。
念のため、ポートフォリオに戻って確認してみましょう。
注文前は、売りも買いも、株式(信用)欄に記載されていましたが、現引きによって、買いの分が株式(現物/特定預かり)欄にうつりました。
これで、買いの現物保有完了です。
この状態で権利付き最終日の市場閉会を迎えます。それによって株主優待をもらう権利を得ます。
ラビ
在庫確保のため、早めに注文をだした場合は、この状態にしておいて、権利付き最終日の夜まで放置することになります
ステップ4:現渡注文(権利付き最終日15:30以降)
権利取得に成功したら、最後の仕上げの手続き現渡(げんわたし)です。
現渡は、現物保有の買った株と、信用取引の売り建て株を相殺してチャラにする手続きです。
ちょっと形は悪いですが、必要な権利を取得したので、処分するような感じです。
現渡の注文は、早くとも権利付き最終日の15:30以降にしてください
市場は、15:00で閉会となりますが、現渡の注文は、15:30まで当日分として有効になってしまいます
15:30より前に現渡してしまうと権利付き最終日に株を保有していないことになり悲劇です
現渡は、ポートフォリオに表示される株式(信用)の売建欄から行います。
現渡をクリック。
現渡の注文画面に移動します。
現渡は、注文株数を入力して、注文確認画面へをクリック。
複数単元保有している場合、必ず全株数を入力してください
500株保有しているのに、100株しか現渡しなかった、などはやはり悲劇です
注文確認の画面が表示されます。
確認の上、まちがいがなければ、注文発注をクリック。
これで現渡注文が完了です。
念のため、注文照会をクリックして確認してみましょう。
現渡の注文がセットされていればOK。
手続き的にはやることはこれで終了です。おつかれさまでした。
翌日の権利落ち日に、現渡注文が無事成立したことだけ確認しましょう。
ステップ5:現渡注文確認(権利落ち日)
念には念を、で翌営業日(権利落ち日)に現渡注文の確認です。
トップページから取引➔当日約定一覧とクリック。
画面のように無事現渡が成立していれば成功です。
また、ポートフォリオをみると、株(現物)にも株(信用)にも、「ヤマダ電機」株は残っていないはずです。
バニ
ステップ6:結果発表会
事件なく、事故なくクロス取引が終わったら、結果発表でコスト計算をしてみましょう。
ラビ
取得した株主優待:2,000円相当の割引券
今回取得したヤマダ電機の株主優待は、100株で2,000円分の割引券(500円×4枚)でした。
ラビ
ウサギマン
かかったコスト:222円でした
続いてコストです。
優待クロス取引のコストは、
- 手数料
- 貸株料
- 逆日歩
の3つですが、今回は3つめの最大リスク逆日歩がかかりません。
この逆日歩がかからないところが一般信用の最大のメリットです。
よって、1と2を計算します。
1.手数料
今回行った取引は全部で4つ。
- 一般信用の売り
- 制度信用の買い
- 制度信用買い分の現引き
- 現物買いと信用売りの相殺(現渡)
このうち、現引きと現渡は手数料がかかりませんので、1と2にかかったものが手数料となります。
SBI証券では、一注文ごとの手数料:スタンダードプランと、一日ごとの手数料:アクティブプランの2つのどちらかを選択します(変更も可能)。
わたしは、スタンダードプランを選択していて、約定代金は売り買いそれぞれ10万以下でしたので、今回は、
- 信用取引売り注文:手数料97円(税込)
- 信用取引買い注文:手数料97円(税込)
の合計194円の手数料がかかりました。
ちなみに、アクティブプランは現物取引・信用取引も100万円までは無料のため、アクティブプランで現物買い&信用売りをしていれば、今回手数料は無料にすることも可能でした。
ラビ
プランは前日までに手続きしないと当日すぐには変えられないんだ…仕方なかったんだ…当日思いたって取得したんだもん…
バニ
2.金利類(買い方金利&貸株料)
金利類は、信用取引の保有期間に応じて発生します。
今回の取引では、
- 一般信用売り➔現渡(決済)までの貸株料:4日分
- 制度信用買い➔現引き(決済)までの買い方金利:1日分
の2種類の金利類が発生しています。
金利類の日数は受渡日(3営業日後)ベース(※)。
売りは、約定25日(火)・決済26日(水)。受渡日だと、約定28日(金)・決済1日(月)のため、金土日月の4日分貸株料がかかります
買いは、約定25日(火)・決済25日(火)。受渡日だと、約定28日(金)・決済28日(金)のため、金の1日分買い方金利がかかります
(※)2019年7月16日から受渡日は3営業日後➔2営業日後に短縮されました
金利(貸株料ふくむ)の計算式は、
です。
SBI証券では、買い方金利の利率は2.80%、一般信用短期の利率は3.90%。
それぞれ計算すると、
- 貸株料:57,000×0.039÷365×4=24円
- 買い方金利:57,000×0.028÷365×1=4円
となり合わせて28円でした。
手数料194円と金利類28円との合計でコストは222円となりました。
今回、手数料の節約としてえらそうに、信用買い➔現引きで101円(手数料97+金利4)かけましたが、単純に現物買いしていれば手数料97円のみですんでいました
手間をかけて4円を失う事態となりましたことを深くお詫び申し上げます
ラビ
バニ
ラビ
ウサギマン
ラビ
コスト計算結果を確認します。
トップページから、口座管理➔取引履歴とクリック。
約定履歴をクリックし、条件を入力し照会をクリック。
※今回は、銘柄コードを指定し、期間はざっくりと指定してみました
表示された履歴の、赤で囲んだところがコストになります。
消費税とわかれて記載されていますが、すべて合計すると222円となります。
【余談】
同じ取引履歴の「譲渡益税明細」というところで今回の取引のコストをみると321円と記載されています。
「譲渡益税明細」は税務処理上の数値で、取得費用が切り上げ処理されるため、実際は、57,101円で取得したものが、57,200円として処理されて、差額としての損(コスト)が実際より少し大きくなります。
税務上はこちらの数値が正しいとして処理されるため、実際よりも損をしたものとして計算されます。
ラビ
これは納税上はメリットでしかないのです、、、また別記事で、、、ふふふ
おわりに
以上、SBI証券での一般信用を使った優待クロス取引の実践を解説しました。
凡ミス連発ではありましたが、一応利益にはなりました、、、
- まだ、口座を開設していない方
- 口座開設したばかりでこれからやってみようという方
の参考になればうれしいです。
一般信用は、制度信用よりリスクが少ないので、よりオススメです。
ラビ
バニ
ウサギマン
ラビ
【追伸】ちゃんと株主優待届きました。
