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証券口座を開設する際に必ず選択することになる口座の種類。
下の3つからの選択となりますが…
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 特定口座(源泉徴収あり)
どれを選べばいいんじゃー!
となってしまう方へ、それぞれの特徴を紹介。
ケースバイケースの部分はありますが、結論からいってしまえば、
ということになりそうです。
証券口座の口座種別
証券会社に口座開設する際は、口座種別というものを必ず選択することになります。
複数の証券会社で口座開設する際もそれぞれの開設時に選びますので、例えばA証券とB証券で異なる口座種別にすることも可能です。
口座の種別は3種類。
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 特定口座(源泉徴収あり)
まず
【一般口座 or 特定口座】
という選択があり、さらに
特定口座の場合【源泉徴収あり or なし】
の選択があるということでの3種類となっています。
一般口座と特定口座
まずは、一般口座と特定口座。
一般口座と特定口座のちがいを簡単に言うと、
- 一般口座:証券会社がなんにもしてくれない口座
- 特定口座:証券会社が「年間取引報告書」を作ってくれる口座
ということになります。
「年間取引報告書」とは、1月から12月までのその証券口座での損益をまとめた報告書で確定申告でそのまま使える資料となります。
特定口座は年明けにこの書類が証券会社から届きますので、この報告書の内容に基づいて確定申告をすれば簡単です。
近年は電子交付化が進展
一般口座はこの報告書がありませんので、利益の確定申告時に自分で「年間取引報告書」にあたる資料を作成しなければなりません。
特定口座にするにあたり特別な費用がかかるわけではありませんので、これから株式投資をはじめよう!という方が、あえて一般口座で開設するメリットはほぼないといえるでしょう。
一般口座は受渡日じゃなくて約定日での損益計算も選択できるけど…
特にメリットってわけでもないよねw
特定口座の「源泉徴収あり」と「なし」
ということで、どうやら一般口座より特定口座が便利でよいわけですが特定口座にする場合
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
のどちらかを選択します。
証券口座での源泉徴収とは、所得税と住民税の税金天引きのこと。
こちらも簡単に言うと(というか字のごとく)
- 特定口座(源泉徴収あり):証券会社が源泉徴収してくれる口座
- 特定口座(源泉徴収なし):証券会社が源泉徴収してくれない口座
ということになります。
株式の売買による利益(譲渡所得)には、所得税15.315%(うち復興特別所得税0.315%)、住民税5%の計20.315%の税金がかかります。
源泉徴収ありの特定口座の場合は、所得税・住民税が自動的に利益から天引きされるので、原則株の利益を確定申告する必要がありません。
源泉徴収なしの特定口座の場合は天引きされませんので、株の売買により利益が発生した場合は原則自分で確定申告をして納税することが必要です。
一般口座や特定口座(源泉徴収なし)にしても配当金は税金天引きよ!
ということで口座種別の特徴をまとめると表のとおり。
証券口座種別まとめ表
口座種別 | 年間取引報告書 | 確定申告 |
---|---|---|
一般口座 | なし | 原則必要 |
特定口座|源泉なし | あり | 原則必要 |
特定口座|源泉あり | あり | 原則不要 |
年間取引報告書を作ってくれて、税金の天引きも自動でしてくれる「特定口座(源泉徴収あり)」が多くの方にとって最適解となるでしょう。
便利で手間なし♪
特定口座(源泉徴収なし)のメリットも…なくはないが
さて、あえて特定口座(源泉徴収なし)にするメリットもありますので2点ほど紹介してみます。
1|資金効率の最大化
特定口座(源泉徴収なし)は、資金効率がよいということがあります。
「源泉徴収あり」の口座では100万円の利益がでるトレードをした場合、そのうち20.315%、約20万円は税金分としてその時点で天引きされてしまうので、口座には利益のうち約80万円分しか入りません。
「源泉徴収なし」の口座なら、100万円分の利益が全部口座に入りますので再投資に使える資金が多くなります。
頻繁に売買を行い、かつ利益を上げる自信のある投資家にとっては、源泉徴収なしの口座で利益をフルに投資に回してさらに利益を上げていくことがメリットになる場合があります。
ただし、「源泉徴収なし」なら利益がでたら確定申告がほぼ必須。
状況によっては、申告の結果国保や介護保険料、その他自治体サービスのコストが上がるなどの負の波及効果がでてくる可能性があります。
「源泉徴収あり」にして確定申告しないですませれば、負の波及効果はありませんのでその点も踏まえ資金効率の最大化のメリットが上回るのか考えておきたいところです。
2|確定申告不要に該当する場合
利益がでたら確定申告が原則必要な源泉徴収なしの特定口座ですが、一定の条件下ではそれでも確定申告が不要になるので、これを利用して所得税を最小化することができます。
国税庁の上記ページに記載のある中でたとえば給与所得者なら
給与の収入金額が2,000万円以内&年末調整済みの場合で、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以内
上記のケースは確定申告が不要になります(ニッチすぎる例外もありますがw:上記HP参照)。
具体的にいえば「給与で年収400万円、会社で年末調整済み」。この方の給与以外の所得が株の譲渡所得だけで年15万円だとすると、15万円の株の利益は確定申告しなくてよいことになります。
通常なら確定申告して15万円×約15%の所得税を納めるはずが、確定申告しなくてよい規定を活用?することで納めずにすますことができます(脱税じゃないですよw)。
源泉徴収ありの特定口座だと、利益がでたら無条件に税が天引きされ確定申告してもこのケースでは税金が基本戻ってはきません。
ちなみに年金所得者も
公的年金等の収入金額が400万円以下(その収入の全部が源泉徴収の対象)で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
なら確定申告が不要なので、同様に源泉徴収なしの特定口座の株の利益が20万以下なら確定申告せずに所得税を最小化することができます。
ただし、この申告不要の条件はあくまで所得税だけの話。
住民税にはこうした基準はありませんので、確定申告は不要でも、別途住民税の申告を自治体で行って住民税分は納税する必要があります。
住民税は申告が必要なのねw
また、給与所得者で医療費控除など他の理由で確定申告してしまう場合には20万以下の株の所得も申告をする必要があります。年金所得者で国民健康保険料を社会保険料控除として確定申告しようとする場合なども同様です。
他の理由で確定申告しちゃうときは株も申告しなくちゃなんだね
そもそも、都合よく利益を20万以内に収めさせてくれるほど、市場は優しくありません(泣)ので、このメリットを受けるハードルは結構高いのではないでしょうか。
と、一応はある特定口座(源泉徴収なし)にするメリットについて2点説明しましたが、どちらも注意すべき点が多すぎるため、やはり便利で簡単な特定口座(源泉徴収あり)を強くオススメしますw
口座種別は変更できる?
一度選んだ口座種別を変更することは…できますw
特定口座と一般口座
一般口座から特定口座にしたい場合は、特定口座開設の手続きを証券会社で行ってください。
特定口座から一般口座にしたい場合、実は「特定口座開設=一般口座開設」でもあるので変更せずとも注文時に預かり区分を一般口座に指定することで一般口座で株を保有することができます(一部証券会社を除く)。
もう一般口座でしか売買しないので特定口座のみ解約したい、という場合には証券会社で特定口座廃止の手続きを行ってください。
特定口座(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)
特定口座における源泉徴収あり・なしの区分も証券会社に手続きすることで変更することができます。
しかし、株式の売却や配当の受取状況によって、その年からの変更ではなく翌年からの変更となりますのでご注意ください。
調査結果から見る投資家の選択
さて、実際の投資家はどんな口座種別を選んでいるのでしょうか?
一般口座 or 特定口座の割合(古めのデータ)と、特定口座の中での源泉あり or なしについての調査結果(新しめのデータ)がありましたので最後に紹介します。
特定口座か一般口座か
日本証券業協会が2011年に行った調査(有効回収集2,085)によりますと、特定口座の開設割合は全体の84.2%という結果なっています。
一般口座が約15%ってことが逆に驚き!
ちなみに特定口座を開設していない人の開設していない理由は、
- 1位は「特に理由はない」(51.1%)
- 2位は「自ら納税計算するので不要」(25.8%)
特段のメリットがあって一般口座にしているわけではなさそうでした。
特定口座は「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」か
続いて特定口座では源泉徴収のあり・なしのどちらが選択されているのでしょうか?
同じく日本証券業協会が毎年6月末時点の調査した結果がありました。
こちらは比較的新しいデータ(2021年6月末)で、特定口座のうち源泉徴収ありの割合が92.72%ということでした。
やっぱり確定申告めんどくさいしね!
ということで調査・統計データ的には、特定口座(源泉徴収あり)が圧倒的に選ばれてるということになりました。
おわりに
以上、証券会社の口座の種類について解説しました。
これから株式投資をはじめよう、という方は、特定口座(源泉徴収あり)が無難な選択肢となるのではと思います。
経験者でも特定口座(源泉徴収あり)でいいんじゃない?
証券口座開設の設定では当記事で紹介した口座種別に加えて、配当金の受取設定(4種)が必須で大事です。
口座種別よりは人によって最適判断が変わってくるとは思うのですが…